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その当たり前は奇跡。助産師の内田美智子さんが語る「おかあさんの宝物」

その当たり前は奇跡。助産師の内田美智子さんが語る「おかあさんの宝物」

助産師「内田美智子」さんが講演会でよく語るという、あるお母さんのお話です。
助産師という生と死に向き合っている方だからこそ、当たり前が当たり前でないということを教えてもらえている気がしました。

「おかあさんの宝物」

自分の目の前に
子どもがいるという状況を
当たり前だと思わないでほしいんです。
自分が子どもを授かったこと、
子どもが
「ママ、大好き」と言って
まとわりついてくることは、
奇跡と奇跡が重なり合って
そこに存在するのだと
知ってほしいと思うんですね。
そのことを知らせるために、
私は死産をした
1人のお母さんの話をするんです。

 
そのお母さんは、出産予定日の前日に
胎動がないというので来院されました。
急いでエコーで調べたら、
すでに赤ちゃんの心臓は
止まっていました。
胎内で亡くなった赤ちゃんは
異物に変わります。
早く出さないとお母さんの体に
異常が起こってきます。
でも、産んでも
なんの喜びもない赤ちゃんを
産むのは大変なことなんです。

普段なら私たち助産師は、
陣痛が5時間でも10時間でも、
ずっと付き合って
お母さんの腰をさすって
「頑張りぃ。
元気な赤ちゃんに会えるから頑張りぃ」
と励ましますが、
死産をするお母さんには
かける言葉がありません。
赤ちゃんが元気に生まれてきた時の
分娩室は賑やかですが、
死産のときは本当に静かです。
しーんとした中に、
お母さんの泣く声だけが響くんですよ。

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